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6.262017
Lenzing Fibers
TIPICO WEB SITEをご覧いただきありがとうございます。
先日、世界的原料メーカーである「レンチングファイバーズ」様に
テンセル™についての講義を開催して頂きました。
弊社ファブリック部はテンセルが開発された初期の頃から使用しておりますが
当初は日本でも加工方法が確立しておらず苦労した様です。
加工場の技術者と私達だけで問題が解決に至らない時はレンチング社のスタッフの方にも色々
素材の特性や加工の条件などをアドバイスして頂いたと聞いています。そして試行錯誤しな
がら1つ1つ問題を解決していき、現在ではバリエーションに富んだ商品を展開しています。
さて、そんな長いお付き合いが続いているレンチング社ですがオーストリア、他5拠点に工場を持ち
セルロース繊維を年間95万トン以上製造しています。
これは世界全体で製造されるセルロース繊維(樹木由来)の15%にもあたり、テンセルに限って言えば
90%以上のシェアを誇ります(2016年時点)さらに2020年には年間10万トンの生産能力をもつ新工場が
タイに誕生予定とのこと!
レンチング社によって「テンセル」のコンセプトがアニメーションでコンパクトにまとめられていますので、
是非下の動画をご覧下さい。
(動画提供/Lenzing Fibers)
ところで皆様は「Sustainability(サスティナビリティー)」という言葉を聞いた事がありますか?
日本語にすると「持続可能性」—システムやプロセスが持続出来ること、環境学でいえば生物学的なシステムが多様性と生産性を期限なく継続出来る能力の事を指します。つまり僕らの生活においても無理なく持続していける社会を目指そうよ、というわけです。
水→陸上で生活する生物が使用出来る水は地球上の1%に過ぎない
土地→人口増加に伴い、都市化による農耕地の減少/環境変化による土壌侵食
石油→有限資源であり、大量消費による地球温暖化・海面上昇などの異常気象の原因
これらの問題に目を瞑らず、洋服に使う原料も見直していく事が必要であるという考えに立ったとき
「テンセル」は非常に環境負荷の低いサスティナブルファイバーと呼ぶ事ができます。
環境的優位点をまとめると
「完全循環型の製法」テンセル製造に使う溶剤は99%以上がリサイクルされ、繰り返し繰り返し使用される。
また製造工程において有害な物質が一切発生しない。
「資源の有効活用」土地生産効率はコットンの10倍、水の使用量は14/1のみ
「生分解可能」土に埋めると約4-5ヶ月で分解され、土に帰る
*生分解に関しては実際に埋めてみましたので、また結果報告致します!
アゾ染料に代表される様な有害物質を使用していないか?
洋服の製造過程に児童労働や劣悪な労働環境が発生していないか?
メーカーにとって、こういった事を無視できない世の中に確実に向かっています。
(実際にZARAを運営するINDITEX社がグリーンピースのネガティブキャンペーン により
2020年までに有害物質の使用を0にすると表明)
(画像は「マガジン9」HPより引用)
テンセルは「コットンよりも吸水性に優れ、シルクよりも柔らかく、リネンよりも涼しい」素材であり
ファブリック部でも数多くのテンセル、テンセルMIXの生地をストックしています。
今回は堅い話になってしまいましたが、今まであまりテンセルを使った事が無いという方が少しでも
興味を持ったり今まで使って頂いてるお客様がさらに良いなと思って頂けると幸いです。
最後にレンチング社にて講義を受ける様子を動画にまとめましたので、ご興味のある方はご覧下さい。
*TENCEL®とテンセル™はLenzingAGのトレードマークです。
FAB 灰掛